テレビなどで、ゴミ屋敷問題と空き家問題は、頻繁に報道されている社会問題ですね。
私も以前は「大変だな」などとのんきにテレビを見て思っていたのですが、
ある時からわが身にその問題が振りかかってきました。
今日は私の実家で起きたゴミ屋敷問題をどうやって解決し、損せず売却したかについて、ご紹介致します。
私の環境
これから私の場合での、実家売却成功事例を紹介するのですが、
まずは前提条件として、ゴミ屋敷化を発見したころの私の置かれていた環境を申し上げます。
ご自分の置かれた環境と異なる場合は、その部分を差っ引いてお読みください
私 :55歳の普通のサラリーマン。妻と娘夫婦で同居のいわゆる2世帯「サザエさん家族」
両親:父は3年前に他界。以降、母は実家で一人暮らし。母は父との死別後、認知症を発症。
実家:私の住まいから高速道路で1時間の距離
実家売却の目標
実家のゴミ屋敷化の発見以降、
「お隣、ご近所に迷惑をかけない」「損する事なく実家を売却したい」
という2つの目標を立てました。
そしてその目標を達成することが出来ました。
実家売却の実施事項
上記目標の達成に向け、以下の通り実施をし、問題解決を図りました。
- 母の認知症発症とゴミ屋敷化の発見
- 特別養護施設への転居
- ゴミ屋敷の片づけ
- 売却先探し
- 自前で売却手続き
- 認知症の母から売買委任状の入手
- 売買完了
母の認知症発症とゴミ屋敷化の発見
私の両親はいわゆる昭和1桁世代。
父親は亭主関白で縦のものを横にもしない頑固一徹。
そんな父親が病に倒れ、特養に入院したとはいえ、母親は懸命の介護に明け暮れました。
母親の様子がおかしいと築いたのは、父他界の1年後。
実家がゴミ屋敷化し始めました。
また、母親1人では、火の始末すら危険な状態になりました。
さしあたり、自炊をやめさせて業者に食事の世話を任せました。
特別養護施設への転居
母の異常を察知し、さっそく活動を開始、
まずは母が認知症かどうか?症状はどこまで進んでいるのかの明確化です。
結果は「要介護2」でした。
幸いにも母親は「ギリギリ自分の状況を判断できる状態」で
自ら「施設に入れてくれ」と言ってくれましたので、スムーズに事が運びました。
そして要介護3になったのを機に、特別養護施設の転居が出来ました。
〈ポイント1〉
「常日頃、親と接し、異常に早く気付くこと」が最も重要です。
小まめに会いましょう。会うのが無理なら電話しましょう。
下記、見守りカメラを設置して様子をいつでも見られる様にすることも重要です。
言葉は悪いのですが「正気のうちに施設転入の話ができるようにしたい」ですね。
認知症が進んでしまった後では、自己の認識が出来ず、転入を拒む方が多くなります。
そうなってからでは手遅れとなります。
ゴミ屋敷の片づけ
自分では割と早く母親の異常に気付いたと思うのですが、
それでも空き家となった実家は惨憺たる状態でした。
父が他界し、時間のできた母の楽しみは「お買い物」。
家に在庫があるのかどうかなどお構いなく、ともかく気になったものを購入。
小麦粉やそうめんや乾電池や封筒、ありとあらゆるものが家のあちらこちらに貯まりました。
またよくリサイクルショップに足を運び、孫と遊ぶおもちゃ、
みんなで作って食べようと思って買ったたこ焼き器、
何でほしいと思ったのか不明なエレクトーン等々、
いわゆる要らない物が貯まりまくりました。
ゴミは家の中のみならず、駐車場や庭にまで満載。
庭には雑草が生え放題となっていました。
私は当初、何とか自分でかたずけようと、
年3回の連休のたびに、誰もいなくなった実家に泊まり込み、掃除をしました。
結果は「庭に生えた雑草の処理だけで精一杯。
部屋の中のゴミは一向にかたづけられない」状態でした。
日頃、実家に住んでいるのならばともかく、
連休だけ片づけに来るといったやり方では
「片付かない」とお考え下さい。無理です。
〈ポイント2〉
業者に頼んで、ともかくゴミを片づけましょう。
当然お金はがっちりかかります。
しかし、「後回しにすると、必ず負担は増大します」
またゴミ屋敷のままでは絶対に売却などできません。
「業者に頼んででも、まず片づけましょう」
実際に私が検討した清掃業者を紹介しておきます。
売却先探し
ゴミ屋敷の片づけと並行して、実家の売却先探しをしました。
少しでも高く買い取って頂きたいので、多くの業者に実家の買い取り見積もりをしてもらいました。
〈ポイント3〉
ともかく、数多くの業者から見積をもらいましょう。
もちろん、見積依頼をすればするほど、
業者は現地確認に来ますし、見積を提示した後はうっとおしいほどプッシュがあります。
相手もプロです。合い見積もりされていることを知っていますので、
ライバルの状況も小まめに訪ねてきます。
しかし、ここは正念場、面倒臭がってはいけません。
少しでも有利な条件をゲットすべく、とことん業者と話しましょう。
私が見積請求した業者を以下に紹介しておきます。
連休のたびに、ゴミ屋敷を片づけと、業者との打ち合わせのために実家に泊まり込みを続ける内、
私のもとに「天の助け」が舞い降りました。
私が小さい頃からお世話になっている隣のおじさんから、実家を売ってほしいとの相談を頂いたのです。
自分で売却手続き
中古住宅の一番の難しさは「買い手を見つける事」です。
これが自分では見つけられないので、業者に頼むわけなのですが、
私の場合はお隣さんが買ってくださることになりましたので買い手探しはクリヤーです。
では、売買にかかる経費をとことん節約し「高く売り、安く買う」ことができるようにしようと合意。
業者を介さず、自分で売買手続きをすることと致しました。
ただ、知り合い通しの売買とはいえ、「口約束だけではいかんでしょ」という事で
司法書士に相談に行きました。
そこで、市のやっている「暮らしの相談窓口」の紹介を頂き、相談に行きました。
認知症の母から売買委任状の入手
司法書士の先生に売買についてご教授頂く中、問題にぶち当たりました。
実家は、認知症の母と私と弟の共同所有になっています。
実家を売買するためには、当然、「母からの売買許可」を得る必要があるわけです。
で、母は認知症。
「母からの売買許可を得た証拠」を作る為には、
司法書士と共に特別養護施設に母親を面会に行き、
そこで母親に実家の売買について説明し、
母親が了解している姿と委任状に自らサインしているところを司法書士に現認していただく必要がある
ことがわかりました。
母親は既に要介護3。私の名前も忘れることがあるくらいの状況です。
事前に何回も施設に行き、そのたびに母親の了解を得てはいたものの、本番はひやひやでした。
しかし本番は問題なくクリヤー。売買委任状へのサインも入手できました。
売買完了
母親からの委任状が入手でき、あとは順調に売買が進み売買契約完了。
物件引き渡し、売買金額の授受完了。無事売買を終えることが出来ました。
結果、経費や税金を差し引いても、若干の黒字にすることが出来ました。
まとめ
私の場合、お隣のお声がけにより転機が訪れました。お隣との利害が一致したのも大変幸運でした。
皆さんにおかれましても、こういった問題をお持ちの方は多いと思います。
役所や業者を思い切り頼って、なるべく早期に解決されることをおすすめいたします。
コメント